今回の記事は元バイヤーのsetchanが納期の前倒し方法のポイント3選を分かりやすく解説します!
こちらの記事はこんな方におすすめです!
・新人バイヤーの方
・今後調達部への就職を志望されている方
調達部のバイヤーは価格交渉だけでなく、納期交渉を頻繁に行います。
特にコロナ期間は半導体や樹脂系製品は壊滅的な納期状況でしたので、業務時間のほとんどを納期交渉に使っていた時期もございました。
そんな中で効果的だった納期交渉のポイントを3つご紹介します!
納期交渉には2種類あります。
・1つ目は納期を前倒しする交渉です。
・2つ目は納期を後ろ倒しする交渉です。
今回はその中で、前倒しの交渉方法にフォーカスしてご紹介します。
それでは、早速行きましょう!
他の発注残との納期入れ替えの検討
1つ目の交渉方法は、手配している発注残の中から優先度を入れ替えることで、サプライヤーから前倒ししてもらう方法です。
この方法はサプライヤー側では勝手に判断できない注文間の優先度を伝えてあげる点がポイントです。
下記が実際のバイヤーとサプライヤー間のやり取りイメージになります。
【例】
| 注文番号 | 製品 | 数量 | 要求納期 | 回答納期 |
|---|---|---|---|---|
| AA0000 | A製品 | 10個 | 20XX/9/1 | 20XX/9/1 |
| AA0001 | B製品 | 5個 | 20XX/9/1 | 20XX/9/1 |
| AA0002 | A製品 | 10個 | 20XX/9/1 | 20XX/10/1 |

△△株式会社、営業担当の佐藤様。
現在、貴社に発注している発注残は3つと認識しております。
ただ、弊社の要求納期に対してAA0002の回答納期が遅れております。
そこで、前倒しのお願いをしたいのですが、、

ご連絡ありがとうございます。
はい、こちらの3つのご注文を頂いております。
実は、要求納期までにA製品が10個しかご準備できず、AA0002のみ10/1での回答納期となっております。
そのため、すべてのご注文を9/1に納品することは難しい状況です。

ご確認ありがとうございます。
実は、AA0000の方は社内での製造スケジュールを1か月遅くする調整ができるため、AA0002を優先して納品いただけませんでしょうか?
AA0000に関しては、10/1までに納品頂ければ工程の遅れは発生しません。
ご調整可能でしょうか?

ご確認ありがとうございます。
はい、こちらであれば調整可能です。
それでは、AA0001、AA0002を9/1に納品し、AA0000は10/1納品させていただきます。
よろしくお願いいたします。
このように、バイヤー企業側で案件ごとに優先度や緊急度が違う場合は、自社の発注残の中で先に納品して欲しいものを伝えて、サプライヤー側の製造リソースを集中してもらうようにしましょう。
エンドユーザーや元請企業を活用
2つ目の交渉方法は、エンドユーザーや元請企業に交渉の場に同席してもらう方法です
こちらは中小企業のバイヤーに特にオススメな交渉方法です。
元請企業は基本的に中〜大企業であるため、自社単体で交渉するよりも交渉力を強化することができます。
しかし、毎回お願いする事はできないので、『ここぞ!』のタイミングで実施してみましょう。
製造工程の洗い出しと定例会の実施
3つ目の交渉方法は、サプライヤー側の製造工程の洗い出しと定例会の実施です。
多くのバイヤーは当たり前に実施している事ですが、改めてその重要性を考えてみましょう。
サプライヤーも自社の製造工程に詳しいバイヤーに対しては、テキトーな回答はできません。
また、製造工程を洗い出して状況を確認することで、どの工程がボトルネックになっているのか特定でき、サプライヤーに対して改善策をピンポイントで指示することができます。
そして、進捗状況を週次で確認すると、サプライヤーに対して適切なプレッシャーをかけられるため納期の最短化に効果的です。
また、定期的にサプライヤーとコミュニケーションを図ることで、自社の優先度を上げることにも繋がります。
バイヤー企業側にも一定の負担はかかりますが、非常に効果的な施策であるため、一度検討してみてください。
番外:有償での前倒し依頼
番外の交渉方法は、有償での前倒し依頼になります。
いわゆる、『特急対応』というものです。
中小企業に対して前倒し依頼する場合は下請法(下請代金支払遅延等防止法)に注意して行う必要があり、前倒しに必要な費用は適切に支払う必要があります。
下請法(下請代金支払遅延等防止法)に関しては、こちらの記事でご説明しておりますので是非ご覧ください!

まとめ
今回は納期の前倒し方法のポイント3選を解説しました。
ポイントは下記の3点です。
・他の発注残との納期入れ替えの検討
・エンドユーザーや元請企業を活用
・製造工程の洗い出しと定例会の実施
今回あまり触れませんでしたが、サプライヤーにとっても納期の前倒しがメリットになるケースもあります。
例えば、前倒しする事で早めに売上が計上できるのでキャッシュフローの安全性が高まります。
このように一方向だけでなく、多角的な視点でサプライヤーのメリット・デメリットを考える事で要求を通すことができます。
ぜひ参考にしてみてください!
他にも、バイヤーの価格交渉についてもこちらの記事でご紹介しておりますので併せてご覧ください!

今回は以上です。
引き続きsetchan製造業ブログをよろしくお願いします!


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