今回は就活生向けに調達部門のやりがい・魅力について5つご紹介したいと思います。
大手電機メーカーの調達部で元バイヤーをしていた筆者が分かりやすくご紹介していきます!
こちらの記事はこんな方におすすめの記事です!
・メーカーの調達・購買部に興味のある方
・製造業へ入社志望の就活生や転職希望者の方

監修者
中小企業診断士 清水誠太
Setchan製造業ブログの運営者。元大手の調達バイヤー、調達戦略のITシステムの技術営業として6年間勤務。その後、製造業に特化した業務効率化やデジタルマーケティングの専門家として中小企業様を支援。
就活生の方々はなかなか調達部門という職種を耳にすることが少ないと思います。
調達部門という呼び方以外にも、調達部、購買部(門)、資材部(門)、資材調達部(門)など、様々な呼び方がございますが、『材料を購入する』という役割は同じですので全て同義です。
その他には、調達=ソーシング、購買=パーチェシングなどと業務で呼び名を分ける場合もあります。

多くの方は、文系なら営業、理系なら設計・開発というようなイメージを持たれているのではないでしょうか。
しかし、メーカー(製造業)には、製造活動を支えるバリューチェーンと呼ばれる価値連鎖があり、多く部門が存在し、それぞれの部門が重要な役割を果たすことで今日の製造業は成り立っているのです。
下記が実際のバリューチェーンの図表になります。
調達部門にはモノの流れとしての『購買物流』と、購買活動である『調達』という役割があります。
ここでは、そんな言葉があるんだなぁくらいで大丈夫です。

今回、こちらの記事では調達部門のやりがいについて紹介していきます。
もっと詳しく購買部・調達部・資材部の仕事内容について知りたい方は、こちらの記事でご紹介しておりますので、併せてご覧ください!

それでは、早速やりがい5選をご紹介していきます!
利益率へのインパクトが大きい事
調達部門の1つ目のやりがいは会社の利益率への影響が大きいことです。
営業部門は製品やサービスを販売することで売上を上げます。
しかし、仮に100円で販売するボールペンを110円の原価で製造した場合は10円の赤字になってしまいます。
つまり、販売価格に対してできるだけ安い価格で材料を仕入れることが調達部門に求められる1つの役割になります。
材料を高く仕入れることは誰にでも出来るので、わざわざ調達部門を構えなくても暇な社員が発注を行えばよいのです。
しかし、それでは利益が出ません。
また、競合は『良い製品をできるだけ安く販売する』ことを目標に原価低減をしてくるので、企業競争力の観点で安く仕入れることはとても重要なことです。
では、どうすれば他社よりも安く・より良い材料を仕入れることができるのでしょうか。
それこそが調達部門の永遠のテーマであり、腕の見せ所になるのです。
サプライヤとの関係性の構築
続いて2つ目のやりがいは、サプライヤとの関係性の構築です。
街中を見ると至る所に企業ロゴなどがあり、家電から公共施設など様々なところで大企業の名前に触れます。
一見、大企業が目立ちますが、実は数多くのサプライヤから材料を仕入れ、時には製造まで委託しています。
大企業だけでモノづくりをしているわけでは無いので、サプライヤとの関係性は企業の生産活動において非常に重要な要素になります。
その為、サプライヤとは良きビジネスパートナーとしてwin-winな関係を構築し、両者の企業活動が良い方向に進むよう工夫する必要があります。
例えば、価格交渉をする際に、ただ『安くしてくれ!』と伝えるのではなく、アメとムチを使い分け、フォーキャスト情報(将来の発注情報など)の手配を条件に交渉することで、サプライヤにとってもメリットのある値下げになるのです。
これはあくまで一例ですが、企業間取引であっても結局は人と人が仕事をするので、サプライヤへの誠意・リスペクトを持って接することは非常に重要です。
『大企業だから偉い』、『モノを買う側が偉い』なんてことはありません。
継続的な生産活動を行う為にも、サプライヤと信頼関係を築くことで他では仕入れが難しい材料や情報なども手に入ることがあります。
サプライヤから見た自社の優先度を上げる事にも繋がり、結果として自社の企業競争力にも繋がるのです。
こちらの記事では『サプライヤー営業との良い関係性の築き方』をご紹介しておりますので是非ご覧ください。

国内外での活躍
3つ目のやりがいは国内外での活躍です。
資材調達部門を選ぶ理由の中で、『海外で活躍したい!』という学生は非常に多いです。
サプライヤは日本だけではないので、時には海外で製造をしたり、海外の製品を仕入れる、という必要があります。
私も海外サプライヤーとお仕事する機会が多く、コロナで減っていたものの海外出張に行く機会もございました。
日本と海外では商習慣や法律、言語、文化など多くの違いがあります。
また、昨今は地政学リスクや米中貿易摩擦など、国家間の関係を考慮に入れた調達活動が必要です。
国内での基本的な調達スキルを得たうえで、さらにそれぞれの国や企業の特性を知る必要があるため、非常にやりがいがあります。
多くの場合は
①国内での調達経験を積んでから徐々に海外サプライヤを担当するパターン
②30代でのIPO(海外子会社)への駐在パターン
この2つのパターンが多いです。
『入社すぐに海外に行きたい!』という場合は入社後の業務のギャップには注意しましょう。
また、『海外で活躍』というベタな理由だからこそ、面接などでは『海外』×『〇〇』といった掛け算で志望理由を伝えるとネタ被りは避けられます。
まずは入社を希望する企業が海外からモノを調達していないことには海外に行くことは難しいので、その会社が海外の調達比率がどの程度なのかは説明会などで聞いてみましょう。
海外出張や海外駐在に興味がある方はこちらの記事も併せてご覧ください。

コスト査定による交渉
4つ目のやりがいはコスト査定による交渉です。
コスト査定とは、サプライヤからの回答価格でOKかどうかを判断するための分析です。
これまではベテランバイヤーの経験と勘で行っていましたが、昨今では客観的な根拠に基づく評価指標が求められています。
中には統計手法やAIなども活用して、過去の購買実績や仕様情報から価格評価を行うケースもございます。
しかし、分析をスムーズかつ高度に行う為にはデータをデジタル化して扱う必要があります。
この調達DX(デジタルトランスフォーメーション)の波に乗るために各企業の調達部門ではデジタル化に向けたDX改革が取り組まれています。
DX改革は、メーカーの調達部門では非常に注目度が高い分野です。
下記の記事では『調達部でのデータ分析入門』としてハンズオン形式でご紹介しておりますので、是非こちらもご覧ください。

製品知識による貢献
5つ目のやりがいは製品知識による貢献です。
シンプルですが非常に重要なテーマです。
一般的に設計者や開発者が製品を考えていくわけですが、いかに調達部門が上流(開発段階)行程に入り込めるかが腕の見せ所です。
完成品の知識は設計者に劣るかもしれませんが、各部品単位であれば設計者よりも知識をつけることは可能です。
なぜなら、サプライヤの工場を見に行ったり、製品説明を受けたり、同じような部品を複数企業で比較できる立場だからです。
このような製品知識の向上は調達部門の会社内での発言力向上にも繋がります。
調達部が優秀な企業の特徴を下記の記事で纏めておりますので、是非ご覧ください!

製品知識を多く持つ調達部員は設計者の信頼を得ることができ、社内で必要な存在になります。
人に求められることでやりがいに変わります。
入社直後は製品知識が少ないので苦労するかもしれませんが諦めずに学び続けましょう。
まとめ
今回は調達部門の5つのやりがいを紹介しました。
今後、メーカーへ就職を考えている方は是非調達部門を検討してみてください。

自分が調達部門に向いているか気になる方はこちらの記事でチェックしてみてください!

どんな仕事でもやりがいはあると思います。
そのやりがいが自分の求めるやりがいかどうかをチェックしてみてください
今回は5つしか紹介しておりませんが、調達部にはもっと多くのやりがいがあります!
他にも『新卒で調達部がオススメの3つの理由』について知りたい方は是非下記のブログもご覧ください!

今回は以上です。
引き続きSetchan調達ブログを宜しくお願い致します!



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