今回は調達不要論③となり最終回になります。
前回までの2回分をまだ見ていない方は、下のリンクから是非ご覧ください。


今回は、『調達部門の業務の高度化・複雑化』というテーマを紹介します。言われなくても分かる!と画面の前の皆さんの表情が想像できますが。。
気を取り直して、今回はどのように高度化・複雑化するのか?について詳しく説明していきます。
今回のポイントは下記の2つになります。
1.付加価値が低い調達業務は淘汰される
2.不可抗力の頻繁な発生
不要論③ 調達部門の業務の高度化・複雑化
付加価値が低い調達業務はロボットに淘汰される
調達部門で付加価値の低い仕事と高い仕事は何があるでしょうか?思い当たるものを分けてみましょう。
あくまで下記のイラストは例ですが、利益率向上、QCDの追求、BS/PL/CF等の財務諸表に直接関係のある業務は付加価値が高いです。

しかし、単純に相見積をして価格の高い・安いを判断することは付加価値が低いです。
見積の中身(内訳)を合理的に説明できることは付加価値が高いです。なぜこの価格になるのか、を説明できるということです。
また、コスト交渉の際に、将来の数値を考慮してサプライヤーに伝えるなど、テクニカルな交渉は付加価値が高いです。
将来の予測精度や交渉でのアメとムチの塩梅は、バイヤーの経験やスキルで変わるため、すぐにロボットに代替できず付加価値が高まります。
逆に付加価値が低い業務は何でしょう?
例えば、システムに入力する作業、納期変更や見積書の原紙でのやり取り等は付加価値が低いです。
決まったことをルールに沿って処理するだけなので、機械の方がコスト・スピード・正確性ともに人間を上回ります。
つまりは、余程の作業でないと今後バイヤー(人)はすることがなくなる、ということです。
不可抗力の発生
昨今、コロナウイルス、ウクライナ戦争、イスラエル侵攻など、一企業・一バイヤーの単位で解決できる問題の域を超える不可抗力が多発しております。
『不可抗力』とは、契約当事者ではどうしようもできない事象のことを指し、
『不可抗力免責条項』とは、不可抗力が発生した場合は債務不履行の責任を負わないことを指します。
ほとんどのバイヤー企業は、サプライヤー企業との取引契約書を締結する際に、『不可抗力』に関する条項を定めています。
つまり、地震や災害、戦争、感染症のような事象が発生した場合は、納期が遅れたり、製品が作れなくなる等、契約内容を守れなくても許してね。ということです。
これまでの調達活動は、有事の際に交渉で何とか危機を脱してきた過去がありました。コロナ前期の頃は「何とかなるだろう」という気持ちを皆が持っていたと思います。
以前は不可抗力の事象が起きても、不可抗力と言わせない圧力や慣習がありました。
しかし、コロナ影響で本当に納期や価格の調整ができないケースが発生しました。
実際に、多くの企業で不可抗力宣言が公に発表され、次第に世の風潮として不可抗力はあり得る事という認識の変化が起きました。
このように、いちバイヤーの努力の範疇では収まらない状況が起きた場合、交渉の効果は下がります。
つまり調達部門が何か解決できるわけでは無くなり、居ても居なくても結果は変わらない状況になっております。(あくまで極論ですが)
まとめ(不要論3回分の総括)
3回に渡り購買・資材・調達部門の不要論を紹介してきました。非常に厳しい内容が多いですが、少々極論な部分もありますので、そんな視点もあるんだな~くらいで捉えてください。
①製造業の究極型は調達部門が居なくても済む状態
②弱まっていく調達バイヤーの交渉力・購買力
③調達部門の業務の高度化・複雑化
また、来年・再来年の話ではなく、10年~20年程先の動きではないかと思います。
しかし、現実として今後益々物価が上がり、材料原価が上がることが予想されます。その中で、人口は減る一方で調達部門の人数も必ず減ります。
売上を落とせない以上、同じ業務量を少ない調達部員で捌く必要があり、ロボットとの融合は不可避です。
何をロボットがやって、何を人がやるのか。
今回の不要論は、完全に調達部門が不要というわけでは無く、現在の調達部門の業務の中から『真の価値』を明らかにするキッカケになると思っております。
その為に、『真の価値』いわゆる『高付加価値な業務』を行えるようになる為のサービスや研修、スキルなどをこのブログではどんどん発信していきたいと思います。
一緒に調達部門をアップデートしていきましょう!!


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